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日別アーカイブ: 2025年10月14日

杉森住建のよもやま話~第15回~

皆さんこんにちは!

 

福井県福井市を拠点に住宅建設における基礎工事やコンクリートの打設などを行っている

株式会社杉森住建、更新担当の富山です。

 

 

 

河川工事と治水の知恵

~人と水が共に生きるための土木技術~

 

 

 

日本は、四季があり、水に恵まれた美しい国。
しかしその反面、**洪水や土砂災害といった「水の脅威」**にも、
古くから何度も苦しめられてきました。

この“水”と向き合い、共に生きるために培われてきたのが――
「河川工事」=治水の知恵です。


 古来の日本と洪水との闘い

 

日本の河川は、海外に比べて急流で短い川が多く、勾配もきついのが特徴です。
そのため、梅雨や台風の季節には、短時間で一気に水位が上がり、
洪水や堤防の決壊といった被害が頻発してきました。

古くは奈良時代の『日本書紀』にも洪水被害の記録があり、
江戸時代には利根川・淀川・木曽川などの大河で
幕府が「河川改修事業」を行い、
堤防・樋門(ひもん)・水門などの基本構造が整備されていきました。

これらの技術が、今の河川工事の礎となっています。


 現代の河川工事 ― “高くする”から“逃がす”へ

 

かつての治水は、単純に堤防を高くして水を防ぐという発想でした。
しかし、想定外の豪雨が続く現代では、
それだけでは守りきれない現実があります。

そこで今主流になっているのが、
「水をうまく逃がす」=調整型治水です。

具体的な工法例:

  • 遊水地(ゆうすいち):洪水時に一時的に水をためる人工の池。

  • 調整池:都市部に多く、下水や河川の水量を一時的に抑える。

  • 親水護岸:コンクリートだけでなく自然石や植栽を活用し、景観と環境に配慮。

  • 根固め・床固工:流れの勢いを弱め、河床の侵食を防ぐ。

このように、現代の河川工事は**“自然と共生する治水”**へと進化しています。


環境と安全の両立

 

近年では、治水だけでなく生態系保全も重視されています。
たとえば、護岸の一部に階段状の「魚道(ぎょどう)」を設け、
魚が遡上できるようにする工夫。

また、コンクリート一色の河川ではなく、
**緑地帯や遊歩道を併設した“地域の憩いの場”**として整備するケースも増えています。

「安全」と「自然」、「防災」と「共生」。
そのバランスを保つことこそ、現代の河川工事の真髄です。


⚙️ 現場の技術と努力

 

河川工事の現場では、常に天候と時間との戦い
水位が下がる短い期間を狙って作業するため、
日々の観測と緻密な工程管理が欠かせません。

また、堤防の改修や護岸の補強では、
重機だけでなく、職人たちの熟練した手作業も重要です。

一つの石、一枚のブロックに“地域を守る重み”がある。
そんな思いで、現場の人々は日々作業にあたっています。


まとめ

 

✅ 日本の治水は「水を防ぐ」から「水と共に生きる」へ
✅ 遊水地・調整池・親水護岸など多様な工法が進化
✅ 生態系を守りながら地域を守る土木の力

川は、時に脅威となり、時に豊かさを与えてくれる存在。
河川工事とは、その両面を理解し、
人と自然が共に暮らせる未来を築くための**“知恵と技術の結晶”**なのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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